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公益社団法人北海道社会福祉士会

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性的指向及び性自認を理由とする差別に反対する声明

更新日付 2023.11.06

性的指向及び性自認を理由とする差別に反対する声明
 
 公益社団法人北海道社会福祉士会は、すべての人が人間としての尊厳を有し、価値ある存在であり、平等であることを認識するとともに、平和を擁護し、社会正義、人権、集団的責任、多様性の尊重および全人的存在の原理に則り、人々がつながりを実感できる社会への変革と社会的包摂の実現をめざす、ソーシャルワーク専門職である「社会福祉士」を会員として組織する専門職団体です。
 
 2023年9月11日、元道職員が、勤務先である道に対し、給与条例に規定する扶養手当や地方公務員等共済組合法に規定する被扶養者認定を申請していたところ、元道職員とそのパートナーが同性同士であることを理由に、「事実上婚姻と同様の事情にある者」に該当しないなどとして、扶養親族又は被扶養者の認定を不可としたことには、公務員の故意又は過失があり賠償責任があることや、憲法第14条第1項に定める法の下の平等に反し違憲である、などの訴えに対し、原告の請求を棄却するとの判決がありました。
 
 札幌地方裁判所は、条例や共済組合法は、「配偶者」「婚姻関係」等について別段の定めを置いておらず、同性間の関係を含むとする明確な規定が見当たらないことから公務員の故意又は過失は認められないと判断するにとどまり、憲法第14条に違反するか否かについて判断を示さなかったことは、原告の心情に寄り添った判決ではなく誠に遺憾であります。
 
 当会では、すべての人々を、出自、人種、民族、国籍、性別、性自認、性的指向、年齢、身体的精神的状況、宗教的文化的背景、社会的地位、経済状況などの違いにかかわらず、かけがえのない存在として尊重するとともに、個人、家族、集団、地域社会に存在する多様性を認識し、それらを尊重する社会の実現をめざすことを倫理綱領に掲げております。
 
 当会は今後も、国や地方公共団体などとともに、同性間の関係に対する法的保障の制度化や、性的指向・性自認に対する差別禁止に関する社会的理解を促進する活動に取り組んでまいります。
 
2023 年10月28日
公益社団法人 北海道社会福祉士会
会 長 出 町 勇 人


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