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相模原殺傷事件判決に対する声明

更新日付 2020.04.24

相模原殺傷事件判決に対する声明


 公益社団法人北海道社会福祉士会は、社会福祉の援助を必要とする北海道民の生活及び権利の擁護、北海道内における社会福祉に関する知識及び技術の普及啓発、並びに社会福祉事業に携わる専門職員の技能の研鑽等に関する事業を行い、地域福祉サービスの推進と発展を図り、社会福祉の増進に寄与することを定款で定める、社会福祉士を会員とする専門職団体です。

 この度、2016年7月26日に神奈川県相模原市の障害者支援施設「津久井やまゆり園」で、利用者、職員を含む45人を死傷させた相模原殺傷事件について、2020年3月16日横浜地方裁判所において一審の判決が下され、同月30日をもって死刑が確定しました。
 事件から約3年8か月が経過し、この一つの節目を迎えるにあたり、改めて命を奪われた19名の利用者のご冥福をお祈りするとともに、残された遺族の皆様に対し、心より哀悼の意を表します。また、負傷された26名の利用者、職員の方々におかれましては、事件によって心身に受けた深い傷が少しでも癒され、平穏な日常を取り戻すことができることを心よりお祈りいたします。

 2020年1月8日の初公判から計16回に及んだ裁判員裁判による公判内容は、主に被告人の責任能力の有無に焦点があてられ、判決文では「量刑上最も重視すべきなのは殺人罪、とりわけ19名もの人命が奪われたという結果が他の事例と比較できないほど甚だしく重大であることである」とされ、殺人や被害者の多さにより量刑が判断されており、犯行の動機や事件の真相など、その全貌はわからぬまま結審に至りました。また「重度障がい者は不幸を作る」「安楽死させるべき」など、障がい者に対する差別的発言を繰り返し主張した被告人からは、最後まで真の反省や謝罪の言葉を得ることはできませんでした。
 さらに、今回の事件により、被告人の主張に賛同する人々がインターネット上で散見され、普段表出されることのなかった障がい者に対する差別意識が顕在化したことは、事件の関係者のみならず、全国の障がい者とその家族に大きな不安と恐怖を与える結果となりました。

 私たち社会福祉士は、今回の事件を、被告人個人の問題として終わらせるのではなく、なぜこのような事件が起きたのかを、制度や法律、施設支援の在り方など、さまざまな角度から検証を行い、二度と繰り返されることのないよう権利擁護実践に取り組まなければなりません。そして、日本はあらゆる障がい者の尊厳と権利を保障する国際人権法である「障害者の権利に関する条約」の批准国であり、国内法である「障害者基本法」においても、「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものである」「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」と規定されており、被告人や被告人の主張に賛同する人々すべてがこれらの条例や法律に反していることを、より多くの人に伝えていかなければなりません。

 当会は、人間の尊厳と社会正義の実現をその使命として倫理綱領に掲げており、すべての人は、出自、人種、性別、年齢、身体的精神的状況、宗教的文化的背景、社会的地位、経済状況等の違いにかかわらず、かけがえのない存在として尊重されるべきであり、重度の障がい者も等しく価値がある存在であることをここに宣言するとともに、差別、貧困、抑圧、排除、暴力、環境破壊などを許さず、それらを除去するための活動や人権啓発活動を行うことで、誰もが障がいの有無によって分け隔てられることのない、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて積極的に取り組んでいく所存です。

2020年4月24日

公益社団法人北海道社会福祉士会 
会 長  神 内  秀 之 介

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